アニメ映画『劇場版 呪術廻戦0』相反するものが共存する“情”

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映画『劇場版 呪術廻戦0』レビュー

こんにちは。lenoreです。

先日わたくし、な、なんと3年ぶりに1人映画館に行ってまいりました!

出産後なかなか映画館に足を運べなくなってしまって…💦

 

鑑賞したのは『劇場版 呪術廻戦0』

TVアニメシリーズ『呪術廻戦』の前日譚となるストーリーです。

「3年ぶりに1人で行く映画館でまだ上映してくれてて本当にありがたい😭✨」と思ったほど、

耳も目も体も心もいろんな感情で満たされるような、本当に素晴らしい作品でした。

 

※私は原作未読で、TVアニメシリーズの第1期全24話だけを観てこの作品に臨んだので、原作を読んでいる方からすると「?」というところがあるかもしれません。あしからず…🙇🏻‍♀️



TVアニメシリーズの時に感じていた「疑問」

心情の機微

TVアニメシリーズを全話観て思ったのは、

【この話のベースは人間の負の感情から生ずる“呪い”。その呪いに関係する戦闘シーンは激しいし一見ダークしかないように感じられるけど、その中にも登場人物の背景、特に心情の機微が丁寧に描かれているんだな】

ということでした。

 

特に私の記憶に残っているのは、

●虎杖悠仁が東京都立呪術高等専門学校(以後呪術高専)に入るまでの経緯
●禪院真希が呪術高専で学んでいる理由
●京都姉妹校交流会でのパンダと究極メカ丸の戦い、そこでのパンダの心遣いなど…

あぁ…でもあげだしたらキリがないくらい良いところがたくさん😳

 

よく考えると、狗巻棘くんのあの「しゃけ!しゃけ!」なかわいい話し方も、

自分の術式を考慮した上での、周りへの優しい心のあらわれなんですよね、日常的な

 

なんて言えばいいのかな…“みんな優しい人たちだね!”というレベルではなくて、

“細やかな心遣いができる、相手の心を大切にしようという心をもった人たち”という印象を受けました。

(真希さんも釘宮さんも言動は強めだけど笑、結構細やかよね)

 

そして、そういった心情の機微が伝わってくる声優さんたちの演技・作画の美しさ・楽曲の素晴らしさに感動しました。

 

心情を読み取りづらかった2人

ただ!

TVシリーズにおいて、他の登場人物に比べて心情が見えづらかったのが五条悟夏油傑

 

五条先生の方は、私の中で基本にかっこいい!好き!という気持ちがあったので(キャラの中で一番好き笑)、

真意が分からない時があっても、はっちゃけた性格なんだな、最強なんだなとそのまま受け取る事ができたんですが…

どうも夏油傑の行動の目的・真意・心がいまいち分からなくって…🤔🤔

 

人間と呪霊の立場を逆転させたい漏瑚の手助け?をしたり…

手助けはするけど呪術高専関係者には姿を見られたくないと言ったり…。

どちらかというと真人の方が、考え方のメーターが振り切りまくってて「悪だなぁこの人!」って感じがするし…。

 

こんな風に五条先生と夏油傑に感じていた、この掴みきれない感情・疑問。

今回『劇場版 呪術廻戦0』を観たことで、かなり解けてきた気がします。



相反するものが共存する「情」
【この段落以後、内容について記述があります】

余韻

この映画、観終わったあとの余韻がすごかったです。

この記事の冒頭で「耳も目も体も心も、いろんな感情で満たされた」と書きましたが本当にそのまま。

 

その中心には、登場人物たちの「情」が、

特に乙骨憂太と折本里香の「情」そして五条悟と夏油傑の「情」が、

エンディングで流れるKing Gnuさんの『逆夢』と共に、じわーっと体に染み込んでくるようでした。

↑ King Gnu – 逆夢 (King Gnu official YouTube 公式チャンネルより)

 

【乙骨憂太と折本里香】愛と呪い、死に対する思い

乙骨くんと里香ちゃんの別れは…かなりキツいですね😭

里香ちゃんが特級過呪怨霊にならなかったとしても、乙骨くんにとってかなりのトラウマになる出来事…。

 

そして里香ちゃんは、特級過呪怨霊として乙骨くんを守ろうとしますが、

彼が意図しない範囲まで行き過ぎる・やりすぎる・強すぎるところがあり、

結果的に乙骨くんは「守られながら、縛られてしまう」、そして死にたいと思うほど悩んでしまう。

劇中で五条先生が「愛ほど歪んだ呪いは無いよ」と言っていましたが、それが真理なのかもしれないですね…🤔

 

最終的には、死んだ里香ちゃんが自ら呪いになったのではなく、

乙骨くんの方が知らず知らずのうちに(?)呪いをかけて、

里香ちゃんは特級過呪怨霊になったのではないかということが、

五条先生の命による伊地知さんの調査で判明しました。

(乙骨くん菅原道真の家系ならそりゃ入学時から特級だわ💦)

 

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このことは、乙骨くん自身が予想していましたが、

私この予想を聞いた時に「なんかちょっと気持ち分かるかも」と思ったんですよね。

私別に呪術師でもなんでもないんだけど笑。

 

実体験としてあるんですが、すごく近い関係の人・大切な人に「死」が訪れた時って、

「無」があって
「拒絶・否定」があって
その後に「悲しみ」が来て
その後何年もの間「自分の中で反芻して染み込ませていく」
んじゃないかなと思うんですよね。

すぐに「悲しみ」じゃない気がするんです。

 

「そんなはずない、死んでなんかいない」という受け入れられないという「拒絶・否定」

これは明らかに人間の負の感情=とてつもない呪いが生じる可能性がありますよね。

 

でも乙骨くんのこの感情って悪いことでもなんでもなくて、自然な反応だと思うんです。

それと同じく、乙骨くんにあんなに屈託のない笑顔で「大きくなったら結婚するの」と言っていた里香ちゃんが、

特級過呪怨霊となっても乙骨くんを守ろうとするのも自然な反応…

 

事実、里香ちゃんが特級過呪怨霊となったのは乙骨くんの呪いによってかも知れませんが、

里香ちゃん自身も、亡くなってもなお乙骨くんを大切な存在として必要としていたことは確かだと思います

 

【愛と呪い・生と死・喜びと悲しみ・未熟と成長・そして共に生きること別れること】

それぞれが意味的には反対なんですが、それぞれが「共存」しているんですよね。

そして、反対のものが共存してるように見えて、寄っかかってる?寄っかかられてる?しながら、

「一途」っていう一貫したものもある。

これこそが乙骨くんと里香ちゃんの「情」=「純愛」なんだろうなと感じました。

 

乙骨くんの決意

前述した死に対する受容の順番

乙骨くんは「悲しみ」の期間がすごく長かったんだろうな、辛かっただろうなと思うんですが、

五条先生が呪術高専に導いてくれたことによって、

他の人と関わりながら「自分の中で反芻して染み込ませていく」というのがどんどん進んだんだろうなと思います。

 

そして、夏油傑との戦いで、一気に思いを昇華。

辛くても苦しくても、里香ちゃんといっしょに「逝く」決意が出来た乙骨くんの「愛してるよ、里香」は、

息を呑んでしまうほど、胸が苦しくなるほど、愛しくて切ない言葉でした。

 

入学当初あんなになよなよ~っとしてたのに、乙骨くんがんばったんだなぁ😭✨

そしていい環境に入れて本当に良かった。

真希さんも棘くんもパンダも、そしてなんだかんだ五条先生も、本当にいい人たちだ。



【五条悟と夏油傑】切っても切れない2人

私は原作未読・TVシリーズ全話視聴完了の状態で観に行ったので、

五条先生はTVシリーズの時とおんなじテンションだけど…あれ?夏油さんってこんな感じの人だっけ…?若干TVシリーズの時よりフランクというか少し明るい気がする…。
そしてフランクに激しく人間(非術師)を見下してる…怖…。
明確に見下してるから、TVシリーズを観ていた時よりも夏油さんの真意・目的が分かりやすい…!
あれ?額に傷が無いな…。

登場からいろんな驚きがありました。

 

まだ自分の中の点と点が繋がっていない部分があるんですが…

乙骨くんとの戦いで瀕死のダメージを受けた夏油さんは、

五条先生と「最期の会話」をしてから亡くなっているんですね🙄

 

そうか、だからTVシリーズで夏油さんは「呪術高専関係者には見られたくない」って言ってたのか!
え…じゃああのTVシリーズの夏油傑とは何?
もしかして私が劇場版を観て夏油傑に感じた驚きは「そりゃそうだよ」的な普通なことだった?
どちらかというと夏油さんの方が「強い者が弱い者を助ける」寄りのスタンスだったけど、そこから「猿共」方向へ大きく転換する出来事が…?
「笑えなかった」…うーん…短い単語だけど深い…。

劇場観覧で配られた無料のパンフレットを読むと、どうも原作の8巻9巻が肝のようなので、

TVアニメシリーズ2期で詳しく描かれるのかな?と楽しみになりました😊

 

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映画のラストで五条先生が乙骨くんに学生証を渡すシーン。

(その学生証を拾ったのは)僕の親友だよ、たった1人のね」

この言葉を考えると、親しかったのに遠い、慕っているのに離れたといったような

なんとも言えない歯がゆい切ない気持ちに…。

 

五条先生が夏油傑にかけた言葉は何だったのか明示されていませんでしたが、

きっとすごく優しい言葉を夏油傑にかけたんじゃないかなと思います。

 

たった1人の親友…その人と戦わなければならなかった…

切っても切れない2人の強い「情」=「友情」を感じました😌



まとめ

このアニメは、本当に「人間ドラマ」をしっかり描いていますよね…🤔

相反するものが共存する人間の「情」を、

アクションシーンは激しく、情景は美しく、時にはギャグ要素も交えて描いているこの作品。

素晴らしい作品だなと感じました。

 

あー…余韻に浸りまくっていて、既にまた観に行きたくなってる…😂😭

配信まで楽しみに待ちたいと思います!

 

作品詳細

 

↑原作…『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』芥見下々

監督…朴性厚

制作…MAPPA

●乙骨憂太…声 緒方恵美
●折本里香…声 花澤香菜
●五条悟…声 中村悠一
●夏油傑…声 櫻井孝宏
●禪院真希…声 小松未可子
●パンダ…声 関智一
●狗巻棘…声 内山昂輝
…他。

(参考:『劇場版 呪術廻戦0』公式サイト, 映画.com

 

予告編

↑ 『劇場版 呪術廻戦 0』予告編 (TOHO animation 公式You Tubeチャンネル)

 

読んでいただきありがとうございました🎥