Netflixフランスドラマ『Lupin / ルパン パート1』推理モノというより人間ドラマとして観た方が良いかも

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Lupin / ルパン パート1 レビュー

こんばんは☆lenoreです。

今回は、Netflixオリジナルドラマ『Lupin / ルパン パート1』 について書こうと思います🎩✨

 

映画『最強のふたり』で印象的な演技をされていたオマール・シーさん主演のこのドラマ。

「良い人役のイメージが強い彼が今回は盗みをはたらく役。どんな感じかな?」とすごく期待して観てみました!



とても辛く悲しい動機だが…
【この段落以後、内容について記述があります】

オマール・シーさんが演じたアサン・ディオプという男性。

彼は、14歳の頃に父ババカールを亡くしています。

 

というのも…大富豪ユベール・ペレグリニの運転手として懸命に働いていたババカールは、

「ペレグリニ所有の貴重な宝飾品"マリー・アントワネットの首飾り"を盗んだ」という

濡れ衣を着せられて服役することになってしまったんです。

 

移民の環境でアサンをひとりで育ててきたババカール。

父が突然刑務所に行ってひとりっきりになってしまったアサン。

 

この2人の身を案じたペレグリニの妻アンが、

「無実だが、罪を認めて釈放になった方がアサンの為にも…」と手を差し伸べようとしましたが、

ペレグリニの巧妙な手回しによって、ババカールには予想より重い刑が科されてしまいました→その結果獄中で自殺😭

 

当時まだ14歳だったアサンにはどうすることも出来ませんでしたが、

(父亡き後、施設に届いた父からの“罪を謝罪する”手紙も、困惑からか読んでいる途中で殴り捨ててしまった)

25年の月日をかけて父からもらった大切な本のアルセーヌ・ルパンの様な"怪盗紳士"となり、

父にかぶせられた罪、父の死の真相、そしてペレグリニの裏の顔に迫ろうとします🎩

 

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パート1全体を通して、

アサンの復讐心や「真相を突き止めたい」という思いがすごく強いことが伝わってきましたし、

ペレグリニの個人的な事情の為にババカールが追いやられてしまった状況は相当酷いなと感じます。

 

うん…アサンの気持ちはよく分かる!分かるんだけど…

やっぱりアサンがやってることはれっきとした「犯罪」なので…

完全には同情し切れない部分があるかな…🤔

「違うやり方あったんじゃね?」的な…?でもそれだとドラマが成り立たないか笑。

 

特に、パート1の後半あたりから、元パートナーのクレールが思い悩んできた様子が明らかになってくると、

同じ女性・妻・母である身としては、

「お父さんの死の真相を暴こうとしてるのは分かる!でも今一番近くにいる、長い間一緒にいろいろ経験してきた、親友でもある“私たち”は?もうバカなことはしないで欲しい・信じさせて欲しいと感じていたところに息子ラウールを妊娠して、伝えるのさえすごく真剣になっていたのに。結局最終章ではラウールの誕生日祝い小旅行でペレグリニの手下につけられて、ラウールさらわれてしまってるじゃない!」

…と感じてしまいました😓

 

アサンって悪い人じゃないし、クレールやラウールを大切に思ってるのは事実なんだけど、

ちょっと人たらしというか憎みきれないというか…

ニッコリ引き寄せといて肝心なとこで突き放してくる感じというか…

「正直自分の夫だったら相当困るかも。人間不信になりそう」とまで考えちゃいました🙄



笑顔と無表情の演技の差

ここまでアサンのことをかなり下げ気味で書いてしまいましたが笑、

なぜか憎みきれない・嫌いになりきれない・母性本能をくすぐってくるような雰囲気があるのは、

演じられているオマール・シーさんの魅力がふんだんに散りばめられているからかなと感じます。

 

何が素晴らしいって、笑顔と無表情の演技の差が素晴らしい!

 

25年前の事件担当だったデュモン警視を問い詰める強い表情と、

大切なクレールを見つめる優しい表情では、

「これ別人かな?」ってほど差がすごいんです。

そしてその差が、優しい表情の方をさらに引き立てるんですよね😳

(それこそがクレールが惑うところなのかも知れませんが…)

 

ペレグリニの娘ジュリエットが言い寄ってきた時も、笑顔と無表情で突き放していたけど…

あの2人の関係も気になるところです🤔



トリック自体は…

設定が現代なので、Uber Eatsやドローン、Alexaのような近代的なものも登場しますが、

基本的にアサンが使う手法は"アルセーヌ・ルパン仕込み"なので、

古さと新しさが絶妙なバランスで共存しています。

 

そこがちょっと…サスペンス、スリラー、推理モノとしては物足りない部分もあるかもしれません

私は若干「パンチが弱いな」と感じたところが多かったです。

 

ルーヴル美術館に潜入した"ポール・セルニーヌ"。

Twitterに告発した者として出てきた"サルヴァトール813″。

 

アサンはたくさんの人に変装していましたが、

その片付け方というか「アサン」への戻り方が、道端にポーイ!という感じのが多くて、

大胆というかちょっとぞんざい?に感じてしまったところが多々…🤔

 

「これ普通に監視カメラにうつってんじゃない?」

「流石に指紋やDNA残ってるっしょ?」

FAXしかなかった時代のトリックとかでもないので…その辺りの構成が惜しいなとも感じました。

 

そして何より、このドラマで描かれている警察が無能過ぎて…😂

●あんなにカメラに何回も映ってて、なんなら一番最初にルーヴルで会ってるんだからもうちょっとモンタージュ写真さっさと作れるっしょ?!

●絶対なにか知ってるデュモン警視をなんでもっと調べないの?!

●ルーヴルではペンをありがとうと言われたから、その人のメール通りベージュのジャケットの人を捕まえる…かもしれないけど、背格好や体格が全然違うからだいたいわからないものなのかな…??

ツッコみたいシーンもちょこょこありました笑。



まとめ

刑事コロンボ・古畑任三郎・松本清張さんの作品・火サス2時間ドラマなど、

緻密なタイプの推理モノが好きな私lenore的にはツッコミたい衝動にかられまくる作品ですが、

とにかくオマール・シーさんの演技がとても素晴らしくて、

「それを見たい!」だけでも充分価値のある作品になっていると感じました。

 

パート1第5章の感じからすると、推理モノ・サスペンスモノとしてよりも、

“人間の感情の揺らぎ・微細な動きを捉えた人間ドラマ“として観た方がより面白いかもと感じました🎩✨

作品詳細

原題『LUPIN Dans L’Ombre D’Arsène』

2021年の作品

原作・制作…ジョージ・ケイ

●アサン・ディオプ(オマール・シー)…父の死の真相を知るため“怪盗紳士”として活躍する。
●クレール(リュディヴィーヌ・サニエ)…アサンの元パートナー。アサンとは学生時代に知り合う。
●ラウール(エタン・シモン)…アサンとクレールの息子。
●ババカール・ディオプ(ファルガス・アサンデ)…アサンの父。マリー・アントワネットの首飾りを窃盗した罪を着せられる。
●ユベール・ペレグリニ(エルヴェ・ピエール)…裏の顔を持つ大富豪。
●ジュリエット・ペレグリニ(クロティルド・エメ)…ユベールの娘。
…他。

(参考:Netflix公式サイト, 映画.com

予告編

↑Netflixオリジナルドラマ『Lupin / ルパン パート1』予告編 英語   (Netflix公式サイトより)

 

読んでいただきありがとうございました🎥