ドラマ『刑事コロンボ 死者のメッセージ』シリーズの中で一二を争う酷い“方法”では…?

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刑事コロンボ 死者のメッセージ レビュー

こんにちは!lenoreです。

今回は、コロンボの旧シリーズの中で私の記憶に強烈に印象に残っている

第41作『死者のメッセージ』について書こうと思います。

 

コロンボに登場する犯人って、やっていることは犯罪なので決して許されるものではないんですが、

お話を見ているとだんだん情が移ってきてしまう人・好意的に感じてしまう人がチラホラいるんです。

 

ですが、この『死者のメッセージ』の犯人アビゲイル・ミッチェルのことはどうしても好きになれない😵!

彼女の"方法"は一瞬のことなんですが、もうそれがとにかく酷すぎて…あぁぁぁ🚪



超有名ミステリー作家の“確証の無い復讐”

このお話の犯人アビゲイル・ミッチェルは、超有名ミステリー作家

講演会を開いたりコロンボ自身もかみさんもファンだったり…人気も名声も成功も掴んでいるすごい方です。

そんな二人がアビゲイルが起こした殺人事件をきっかけに出会い、

「実際の事件の殺しのプロ」コロンボフィクションの殺しのプロ」アビゲイルが対峙します。

 

アビゲイルが殺しに至った動機

それは、自身が親同然に育ててきた姪のフィリスが、

彼女の夫エドモンドとのヨット航海中に亡くなったことでした。

 

正確に言うと、当時の警察の捜査の怠慢もあって(捜査は打ち切られている)

フィリスはヨットから姿を消したものの溺死したというのは確認されていない=行方不明?で、

亡くなった原因やその犯人は未だ分かっていないというのがその時の状況です。

 

ただ、夫との航海中だったということや、

フィリスが亡くなることでアビゲイルの身内=相続関係にあたる人がエドモンドだけになること等から、

アビゲイルはずっとエドモンドがフィリスを殺したと疑っていました

 

アビゲイルの経緯を知ると、動機だけは気持ちはわかるんです、大切な姪さんですし(その後の行動はダメ❌)

ただ、アリバイやトリックを駆使した何作もの名作を生み出した超有名ミステリー作家が、

確実な証拠もなく酷い犯罪に手を染めたというのが、どうも私には腑に落ちない…🤔

 

簡単に言うと「エドモンド…絶対あんたが殺したんだろ?」という強い疑念だけで進んでいるので、

「エドモンドの車の鍵をどこに隠そうか…えぇい!この砂の中に突っ込んじゃえ!」みたいなシーンも、

「一度失くなった鍵が手元に戻った…どうやって現場に戻そうか…えぇい!スプリンクラーの横に置いちゃえ!」みたいなシーンも、

ちょっと詰めの甘さが目立つなという印象を受けました。

 

それだけ姪のフィリスを大事に思っていたということなのかも知れませんが…🤔🤔



心が痛くなる…酷すぎるアビゲイルの“方法”

冒頭でこの作品が 私の記憶に強烈に印象に残っている と書きましたが、

その最たる要因はアビゲイルがエドモンドを殺した方法…

敢えて明かりがつかないようにした真っ暗な金庫の中に閉じ込めるという、あまりにも酷すぎる方法…

しかも頑丈な金庫室なので、声は外には届かない…

暗所・閉所恐怖症の私からしたら見てるだけでゾワゾワ…閉められる瞬間のエドモンドの顔が忘れられません…💦

 

金庫の中に一人入っていったエドモンドに対し、

「エドモンド。あんたフィリスを殺したわね!あたしがそれに気付かないと思ってたの?!」

…と言ってバタン!っと金庫の扉を閉めたアビゲイル。

 

確かに事後コロンボと一緒に行ったエドモンドの家にはフィリスの写真が無かったよ?
無かったけど、もしかしたら「あまりにも辛くて…」の可能性も無くはないじゃん?
直前に書かされた遺産相続の書類も、エドモンドはちゃんと“相互に”相続というのに同意したよね?
“姿を消したものの溺死したというのは確認されていない”という状況なんだし、エドモンドの言い分も聞こうよ?

それを一方的にバタン!っと扉を閉めてエドモンドを酸素不足で殺害し…
確証も無く言い分も聞かずに殺害した彼の事を、後日ボロクソに言って…
コロンボ警部に対する態度もおちょくったようなところがあるし…

ダメだ…アビゲイルの好きな部分が全く出てこない…😱😂💦

 

でも↑この感情が湧くってことは、

アビゲイルを演じたルース・ゴードンさんの演技力が素晴らしいということの裏返しだとも思います!



まとめ

アビゲイルの講演会にて、アビゲイルの無茶振りで突然スピーチをすることになったコロンボ。

そこでコロンボは、

私は自分の仕事が楽しい。
私は基本的に人間が好き。犯人も好きだったことがある(犯罪ではなくその人柄に)
誰にでもいいところがある…

という「アビゲイルがエドモンドを殺す前に聞いてたら…もしかして…」と感じてしまう程、

素晴らしいスピーチをされていました。

 

そんな風に私たち視聴者と同じように犯人の人柄に“共感”するコロンボでしたが、

今回のアビゲイルには恒例の「もう一つだけ…」が一言も出ず!

むしろアビゲイルが言ってたな笑。

 

アビゲイルに優しい方なのねと言われ「それはどうか分かりませんよ」見据えるコロンボは、

まさに私が大好きなキレキレのコロンボ!という感じでとてもかっこよかったです。

金庫室の内側から逆光でコロンボを映すシーンもかっこよかったな~!

 

エドモンドの金庫内での行動を読み解いていくシーンはかなりかわいそうなものがありますが…

彼が残した“死者のメッセージ"は、アビゲイルが"作家"であることを利用した必死の訴えです。

ぜひ彼の必死のメッセージをコロンボとともに紐解いていきましょう…かわいそう過ぎるから…😭😭😭

(アビゲイルを演じたルース・ゴードンのちょっとイライラしてくるような名演も見どころです!)



作品詳細

1967年に単発作品として『殺人処方箋』が放送され、その後パイロット版の『死者の身代金』を経て、第3作『構想の死角』からシリーズものとして始まった一話完結のミステリー。倒叙形式で進む。

原題:『Try and Catch Me』

監督…ジェームズ・フローリー
脚本…ジーン・トンプソン、ポール・タッカホー

●コロンボ(ピーター・フォーク)…刑事
●アビゲイル・ミッチェル(ルース・ゴードン)…ミステリー作家
●エドモンド(チャールズ・フランク)…アビゲイルの姪フィリスの夫
…他。

(参考:NHK『刑事コロンボ』サイト , 映画.com

 

読んでいただきありがとうございました🎥