映画『ザ・サークル』レビュー│テーマが良いだけにもったいない…!

2025年10月7日●洋画(主にアメリカ),ザ・サークル

映画『ザ・サークル』レビュー

こんにちは、lenoreです!

今回は、SNS大企業について描いた映画『ザ・サークル』について書こうと思います。

 

エマ・ワトソン、トム・ハンクス、ジョン・ボイエガ、カレン・ギラン、エラー・コルトレーン…

俳優陣が豪華で以前から気になっていたんですが、

みなさん演技がとても良かっただけに、脚本・話の流れがとても残念な感じでした。

 

テーマが今の時代に合っているから、もう少し面白く深く描けた気がするんだけどな…。




明るい「同調圧力」

主人公メイ・ホランドは、家族の事情から「もっと稼げてやりがいのある仕事に就きたい」と考えていました。

そう思っていたところへ、親友アニー・アラートンから連絡が入り、

なんとアニーが勤めているIT & SNS一流企業『ザ・サークル』の面接を受けられることに。

 

そして面接を受け見事合格したメイは、

アニーに会社のことを教えてもらいながら徐々にいろんなことを覚えていくのですが…

この会社、思いっきりGAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)っぽいんです。

 

会社の敷地でヨガをしている人が居たり、ゲームをしている人が居たり、まさに自由!最先端!

CEOのイーモン・ベイリーが社員の前で話すシーンは、まんまiPhone新作発表会!

「わぁ~働きやすそう」「オンオフ、メリハリつけて楽しく仕事できそう」

もし私がメイの立場なら、きっとこんな風に思うであろう旬な会社。

 

そんなフレッシュな会社なんですが…

「会社のみんなの事、もっと知りたいよね?」

「自分の事、会社の人に知ってほしいよね?」

全部知るのって一番いいことだよね?」

…というこの会社の同調圧力、序盤から小出しでじわじわーっとキます。

 

というか「溢れ出さずにはいられない」に近いかな?

集団の中で一匹狼なことが多いわたし的には、徐々に「この会社…無いわ😨」になっていきました。




ストーリーがいろいろもったいない!

ブレブレの主人公

この映画、全体的に感じるのが「なんかいろいろもったいない!」ということ。

 

元々一匹狼タイプだったメイが、

会社のオープンに行こうぜ感に押されつつ、徐々に馴染んでいく雰囲気は伝わるものの、

馴染むきっかけや動機の掘り下げが甘い気がするんですよね…🤔

 

映画中盤。

メイが夜の川で一人で趣味のカヌーをしていた時に、あるアクシデントが起こるんですが、

そののメイの「会社に対する急激なスタンス変更がちょっと急すぎる気がするんです。

確かに大変なアクシデントではあったけど…。

 

メイが「もうっ!夜一人でカヌー行こうっ!」となったきっかけは、自身のSNSでの行為が元なので、

もう少しメイの行動を慎重に=移り変わっていく様を丁寧に描いても良かったのでは?とも感じました。

個人を尊重なのか、中立なのか、フルオープンなのか。

また、映画終盤にあるもう一つの山場(メイにとってはかなりキツい出来事)やラストシーンから考えると、

おそらくメイは【プライバシーを尊重する社会 ↔ ココ ↔ 自分のことをフルオープンにする社会】

ココの部分=中立を目指したいんじゃないかなと思うんです。

 

私自身、中立を知ること自体はすごく大事だと思っていますが、

この映画のテーマの場合はライバシーを尊重する社会】がかなり重要になってくると思うので、

中道を目指すのは相当難しいんじゃないかな…🤔

中途半端だと、いいとこ取りをしたいだけみたいになってしまいますしね。

 

●True Youを開発したタイとメイにもう少しバディ感が出るのかと思ったら、全然だし…。

●イーモンたち経営陣について最後にそう持っていくなら、彼がやってきたことをもっと詳しく描けばいいのにって感じだし…。

●アニーとの関係も付かず離れず…ていうかいつ仲直りした笑?って感じだし…。

 

んー、話の流れが本当にもったいない!惜しい!

まとめ

鑑賞後あまりにも中途半端な気分になり、

「もしかしてSNSが主流になる前の映画なのかな?」と思って調べたところ、別にそんなに前でもない…😓

 

消化不良が残る流れだったので、いろいろ下げ気味で書いちゃいましたが!

●SNSを使う上での最低限のルール

●SNS上の関係とリアルな人間関係のバランス

●盲目的に進む集団の怖さ、そしてそこに“同調”出来なくなった人の居場所の無さ

●映画『トゥルーマン・ショー』を彷彿とさせる、明け透けの怖さ

…など、学ぶことは多い映画でした。

 

SNSに対する認識についていろいろ考える機会にはなると思うので、

「啓発」という意味ではおすすめの映画です!




作品詳細

映画『ザ・サークル』Amazon Prime Video

原題:『The Circle』

原作:デイヴ・エガーズによる『ザ・サークル』

2017年の作品

監督…ジェームズ・ポンソルト
脚本…ジェームズ・ポンソルト、デイヴ・エガーズ

●メイ・ホランド(エマ・ワトソン)…ザ・サークルの新入社員
●イーモン・ベイリー(トム・ハンクス)…ザ・サークルのCEO
●タイ・ラフィート(ジョン・ボイエガ)…ザ・サークルの人気サービスTrue Youを開発
●アニー・アラートン(カレン・ギラン)…メイの親友。ザ・サークルの社員
●マーサー(エラー・コルトレーン)…メイの地元の友達
…他。

(参考:公式サイト, 映画.com )

予告編

↑映画『ザ・サークル』予告編 (ギャガ You Tube 公式チャンネルより)

 

読んでいただきありがとうございました🎥

 

2025年10月7日

Posted by lenore