映画『博士と彼女のセオリー』レビュー│美しい映画だけど…現実は大変だと思う。

2025年6月16日●洋画(主にアメリカ),博士と彼女のセオリー

映画『博士と彼女のセオリー』レビュー

こんにちは、lenoreです!

今回は、車椅子の天才物理学者スティーブン・ホーキング博士とその妻ジェーンの半生を描いた

映画『博士と彼女のセオリー』について書こうと思います。

 

以前から「ポスターやDVDのジャケットがきれいだな」と気になっていたのですが…

実際に観てみると、「美しいな」という感想よりも「現実は大変だよな…」と感じる内容でした。




研究についてより、夫婦の愛や葛藤などの要素が多い

実は私、ホーキング博士の研究がどのくらいすごいことなのか、ちゃんと分かっていませんでした

なのでこの映画を観るにあたって「映画内に研究自体についての言及があったら、少し勉強にもなるかも?」という気持ちもあったんです。

 

でも実際に観てみると、ホーキング博士の研究内容自体よりも、

●難病を患ったホーキング博士の苦労
●彼を支える妻ジェーンの苦労
●夫婦の葛藤
●介護の現実
●助けを求めるということ
●科学?宗教?何を信じるのか?

…など、細やかで難しくて大変な、情面の要素が多いストーリーでした。

ジェーンに感情移入せずにはいられない。
【この段落以後、内容について言及があります】

ホーキング博士が自分の力で必死に階段を登ろうとするシーンは、

思わず一緒に歯を食いしばってしまったくらい、観ていてとてもきつく辛いものでした。

 

様々なシーンを観て、1番大変なのはホーキング博士本人だということはすごく伝わったんですが…

やはり同じ女性としては、妻のジェーンの方に感情移入せざるをえませんでした💦

 

●妻であり、3人の子の母。ほぼ介護士でもあり、ほぼ保育士。研究者であり、ひとりの女性。
忙しすぎるよ💦

●最初の頃、ホーキング博士は車椅子をあえて使わなかった?っぽい。
本人の意思かもしれないけど、周りの人も大変だったと思う。

●子どもの人数が増えてきても、住み込みの介護士をなかなか雇おうとしなかったホーキング博士。
ほぼジェーンが負ってるよね…?

●海外フランスの音楽会に招待されたホーキング博士が「君は飛行機が嫌いだからあとから車で来るといい。子どもをキャンプにでも連れてってくれ」
生まれたばかりの子と上の子2人=計3人を、産後すぐの体のジェーン1人でキャンプへ連れて行けと?🙄

●しかも「1人では無理よ」とジェーンが答えると「ジョナサン(ジェーンが所属する聖歌隊の指揮者)を誘ったらいい」とホーキング博士。
住み込み介護士もいないしシッターさんもいない状態で、忙しすぎてなかなか助けを求められなかったジェーンが、やっと助けてくれる人=ジョナサンを見つけた。

ジョナサンは純粋な気持ちでホーキング家を助けてくれてるけど、車椅子のホーキング博士との間では出来ないことがジョナサンとの間では出来るから、ジェーンの中で少しずつジョナサンの存在が大きくなっていく。ジョナサンの方も同じく。

それでもジェーンは気持ちを抑えていたのに…ホーキング博士の母親から「一番最近生まれた子はジョナサンの子なんじゃないの?」なんて言われたりしてたのに…

「ジョナサンを誘ったら?」って…ホーキング博士…😭😭

ジェーンがかわいそうすぎるでしょ?!

 

正直途中からホーキング博士のことじゃなくて、ジェーンのことばっかり心配しちゃいましたよ😓

ホーキング博士も、このままではいけない・ジェーンが壊れてしまう・ジョナサンに直接頼みに行く…など行動はしていたんですけどね…。

 

ホーキング博士と看護師エレインとの関係もあってか、ラストでホーキング博士がジェーンにかけた

「(自分たちの子どもを指差しながら)見ろよ、我々が創り上げたものを」という言葉

「ちょっと都合がいいような…🤔」と私は思ってしまいました。

 

と同時に、この映画は妻ジェーンが書いた回顧録に基づいて作られたものなので、

ホーキング博士自身が自分について書いた本も、あれば読んでみたいなと思いました。




まとめ

難病ALSを患って症状が次第に悪化していく様子を演じたエディ・レッドメイン、素晴らしい演技でした。

途中、ホーキング博士本人だとちょっと錯覚してしまいましたもん。

そしてフェリシティ・ジョーンズの演技も素晴らしかったな…✨

恋心が芽生える瞬間~介護の現実に打ちのめされる瞬間…幅広い演技ができる方だなと感じました。

 

こんなにも【美しいもの × 現実的で時に残酷なもの】を同時に表現できている映画ってなかなか無いんじゃないかと思います。

観る人の状況や立場によって見方が変わる映画かもしれません。おすすめです。

作品詳細

原題:『The Theory of Everything』

2014年の映画

監督…ジェームズ・マーシュ
脚本…アンソニー・マッカーテン

●スティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)…天才物理学者
●ジェーン・ワイルド・ホーキング(フェリシティ・ジョーンズ)…スティーブンの妻
●ジョナサン・ジョーンズ(チャーリー・コックス)…ジェーンの2番目の夫
●エレイン・マッソン(マキシン・ピーク)…スティーヴンの2番目の妻
●ブライアン(ハリー・ロイド)…スティーヴンの大学時代のルームメイト
…他。

(参考:映画.com )

予告編

↑映画『博士と彼女のセオリー』予告編  (シネマトゥデイ 公式 You Tubeより)

 

読んでいただきありがとうございました📽️

2025年6月16日

Posted by lenore