映画『AKIRA』レビュー│「助けはいらない」「助けてほしい」と言える関係性

こんにちは、lenoreです!
今回は、映画『AKIRA』について書こうと思います。
2026年の年始にNHKで放送されることをたまたま知り、
「有名な作品なのに観たことがなかったな」と思い、リアルタイムで視聴。
年末年始のバタバタもあってゆっくり観られなかったので、後日Netflixでもう一度鑑賞しました。
すごかったです、本当に。
「語彙力をなくす」という表現がありますが、まさにそれです。
全てが予想できず、全てが新しい。そして面白い。
1988年の映画なんですが、これからもずっと最先端にありつづける作品だと感じました。
「助けはいらない」「助けてほしい」と言える関係性
映画内に登場する言葉や登場人物(アキラとは?キヨコたちって?等)は、
この世界独特の存在なので少し難しく感じるところもありましたが、
ストーリーの中心にあるのは【幼馴染との関係性】なのかなと思いました。
金田や鉄雄たちがいるバイク集団と、ジョーカーたちがいるバイク集団。
反政府勢力の一般市民と、それを押さえつける軍隊。
軍隊に所属する敷島大佐と、彼の軍籍を剥奪する権利をもつ最高幹部会議。
こんな風に対立関係にあるものが多い中、
金田と鉄雄の関係は、
●養護施設からの友達であり、
●仲間同士助ける側・助けられる側の関係でもあり、
●力が制御できず暴走してしまう者・その暴走をなんとか食い止めようとする者という関係でもあり、
一見対立しているように見えて、本質の部分では【仲間】というのが表現されていていいなと思いました。
キヨコが鉄雄に呼びかけるために、ケイを連れ去った(乗り移った?)シーンで、
「鉄雄は俺達の仲間だ。ヤツを始末すんのは俺たちだ!」
金田がこう叫んで、川面を悔しそうに叩いていたのが印象に残っています。
そもそも、面と向かって「助けなんていらない」って言えるのも仲間だからだし、
(助けはいらないって人に言う状況って人生でそんなに多くないと思っていて、あるとしたら、広い意味で第三者の善意を丁重に断る「あ、いえ結構です」みたいな感じか、気心が知れた相手に「助けてくれなくていい」と宣言する感じかどちらかかなと思う。鉄雄は完全に後者で、余程の覚悟があってかなと感じた)
あれだけ強がっていたのに「助けてほしい」って言えるのも仲間だからだし、
(自分から拒絶した人に対して、自分が本当に困っている時にこう言えるのも、信頼している間柄だからだと思う)
金田と鉄雄が根っこではちゃんと繋がっているんだということが伝わってきました。
かっこいいセリフが多い
あと、かっこいいセリフが多いな!というのも感じました。
「かっこいい」と一言で言ってしまうと平たくなってしまうんですが…
なんというか、痺れる感じの「くぅ~っ!」とか、感嘆の「ここで言う?それ?決まりすぎだって!」とか、
その登場人物のことがもっと好きになってしまうようなセリフが多かったです。
私が射抜かれたセリフ
私が射抜かれたセリフをいくつか挙げると…
「どうしていつも助けに来るんだ!」
●カオリと鉄雄のところにジョーカーたちの集団が復讐しにやってきて、そこへ助けにきた金田に対して鉄雄が言った一言。
先ほども書きましたが、やはり面と向かってこれを言えるのは相当覚悟が決まっていると思うし、
鉄雄の中で蓄積されてきたものが一気に爆発した感じが伝わってきました。
こう言われた金田がハッっとなっていたのも印象に残っています。
「私の役目は信じるかどうかではない。行うかどうかだ」
●キヨコの"予知"についてドクターに尋ねられた敷島大佐が言った一言。
「理念とか信念的なものよりも、実際に動くかどうか」という観点が軍人らしいなと思いましたし、
ネオ東京が前向きに進むようにすぐに動くのだ!という強い行動力も感じました。
「くよくよすんなよな。殺っちまったもんはしょうがねえだろう、殺っちまったもんはさぁ」
●意図せず追手の軍人を射殺してしまったケイに対して金田が言った一言。
これはかっこいいとというよりも、映画の世界観と金田の性格がよく表れているなと思ったセリフです。
ケイを励まそうとした精一杯の"明るい"言葉とは言え、
このくらいの年齢の子が殺人について軽口を叩くこと自体が、
ネオ東京の現状をそのまま表しているような感じがしました。
(私の中で金田は16~19歳あたりのイメージ)
その一方で、ケイを励まそうと・気に入られようとしている姿は、純粋でかわいいなと思いました。
ふざけているような感じも、頼りになるボスな感じとのギャップがあって良かったです。
「欲しがってんだろ?こいつを」「待たせちゃ気の毒だからな!」
●アキラの近くまで迫っている鉄雄のもとに向かおうとする金田が言った一言。
鉄雄が金田のバイク(こいつ)を探していたと聞いてこう言うんですが…
こーれはかっこよすぎるでしょ!!決め台詞すぎる!!倒置法がまたいい!!
ふざけている感じの時と、こういうバチバチに決まっている感じの時のギャップが本当に魅力的です。
まとめ
軍の施設の個室で鉄雄が見た、大量のおもちゃが合わさったくまさんうさぎさんの幻覚や、
ラストの機械生命体+巨大肉片みたいにみたいになった鉄雄のような、大きな動きのシーンだけでなく、
登場人物のセリフに合った口の動きや、鉄雄のお腹から内臓がドサッとゆっくり落ちる幻覚のような、
小さな動きや一瞬のシーンも丁寧に作り込まれていて本当に感動しました。
(内臓の"出てはいけないものがドロッと出てきた"感すごかった!)
内容を理解しようとか分かろうとするよりも、
とにかくまず「観る」「世界を体感する」ことが大事な作品だと思います。
観られてよかった!観るきっかけをくれたNHKありがとう笑!
作品詳細
映画『AKIRA』 4K REMASTER EDITION / ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Amazon
1988年の作品
監督…大友克洋
脚本…大友克洋、橋本以蔵
音楽…芸能山城組
●金田…岩田光央
●鉄雄…佐々木望
●ケイ…小山茉美
●敷島大佐…石田太郎
…他。
(参考:映画.com )
予告編
↑劇場版アニメ『AKIRA』配信 [特別予告編] 大友克洋の人気コミック原作、東京ムービー新社が務めた近未来SFアニメーション│TMSアニメ60周年 (TMSアニメ公式チャンネルより ※東京ムービー新社は現トムス・エンタテインメント)
読んでいただきありがとうございました🎥





